おばあちゃんから私のまで、着物 (3)

 

「ありがとう」って、えっ?

これは私が始めて作った木綿の着物、糸は草木染、

母さんがいろいろ口ださはった。その時、何でかわからんかったんやな・・・・、

黄色は「刈安」、緑は藍染の上にたまねぎ、鼠は「一位」

このチェックは顔彩、天然の鉱物を粉にして、作った岩絵の具。

草木染は材料を煮出して染液を作っる。そんで、糸を繰りながら染液の中で炊く。

それから冷やす。媒染剤につける。 それを何回か繰り返す。

顔彩は、バインダーとかいう薬と一緒に、糸に揉み込む。

染めんのに時間かかったり、くさかったり。

1年生の課題やった。

糸を巻き取るのは、苦痛やったな、単純作業の割りに大層。

まつぼってしもて、「いーっ!」ってなった。

木綿の太い糸やのによお切れた。何でやったんやろ、できへんのに、力任せでやってたんやな、

織るのも時間かかった。

「何を考えているんだ、集中してなかったな?」小野先生に言われたなぁ。

反物が出来上がった。湯熨斗(ゆのし=湯に湿したり、湯気に当ててしわなどを伸ばす)に出した。

反物が家に帰ってきた。 

 

「ありがとお」      えっ?   

 

母さんが、反物を裁って縫って、着て、お出かけしはった。

これ以後、この着物はお母さんの大のお気に入りになって、よぉ働いてくれた。

これと同じ運命をたどった着物、数枚。

今はお母さんが亡くなってしもて、私のとこに戻ってる。

私にとっても、大事な母さんとの思い出の1枚の着物です。